Devil's Night
 
 カイは私の髪を撫でながら、何とも言えない優しい目をして笑った。


「美月。もう、大丈夫だよ」


 そう言われても、体のふるえが止まらない。


「大丈夫、大丈夫」


 カイが呪文のように繰り返す。


「あの人たち、カイが追い払ってくれたの?」


 恐る恐る尋ねると、彼はわずかに視線を上げ
「まだ、いるよ。ほら」
と薄く笑う。


 私はドキリとして、彼の胸から離れ、その美しい瞳が向けられた先を追った。




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