Devil's Night
7. ファーストラブ
【1998.4.1 東京】
あれから一度もカイに会っていない。
彼に会うのが怖かった。が、通学の途中、どうしてもゴーストアパートの前を通らなくてはならない。
あの事件の後、私は建物の方を見ないようにして、この道を通りすぎるようになった。
でも、これまでのように、カイが私を呼び止めることもない。
顔を伏せて足早に通り過ぎる私には、そこに彼が居るのか居ないのかも、わからなかったけれど……。