Devil's Night
お母さんの言う通りだ。
――本当にこのままでは病んでしまう。
そう思った私は、事件から半年ほどたってから、一度だけゴーストアパートの中を見に行った。悪夢と決別するために。
――そこにまだ死体があれば、警察へ行く。
そう心に決めて。
そして、祝日の昼間を“その日”に選んだ。祝日だけは、あの廃屋でカイを見かけたことがなかったから。
彼に会わないことを祈りながら、ゴーストアパートへと向かう。