7日間の恋
『じゃあまず…あれから行こうか!』
『あれ』とは、私がもっとも苦手とするもの。
「………ケツ上げ、ですか?」
そう私が言うと
『こらぁ~
女の子が「ケツ」とか言わないの。』
嬉しそうに言う稲葉さん。
やっぱり…か。
はぁ~と、溜め息をつく私。
そして稲葉さんはタイマーをセット
『じゃ、3分ね。
疲れたら休憩していいからね』
稲葉さんはそう言ってどこかへ行ってしまう。
寝転がっている私には天井くらいしかよく見えないのだ。
『おっ?!いらっしゃーい』
向こうの方から稲葉さんの声が聞こえる。
どうやら稲葉さんの患者さんが来たらしい。
やっぱり…無理、か。
稲葉さんと2人きりなんて。
何げに稲葉さん、人気者だからな。
なんて思いながらひたすら「おしり」上げ。
「ケツ」上げなんて言ったら怒られちゃうからね。
『結衣ちゃん、動きが止まってる~』
向こうから稲葉さんの声がまた聞こえた。
はぁ~と大きな溜め息をついて大げさに頑張ってみる。
今日くらい素直に言うこと聞かなくちゃね。
最後…だから。