7日間の恋
『ホントに硬いね、結衣ちゃん』
苦笑いで私の右足のアキレス腱を伸ばす稲葉さん。
「そんなこと言われても…
生まれつきなんですもん」
私はそう言って額に手を当てる。
体が硬いこと。
それは私のコンプレックスだったりする。
別に体が硬いからって損はないんだけど…
気分的に?
『でもなんか…結衣ちゃんらしいよね』
へ?
私らしい…??
体が硬いことが?
稲葉さん…意味が、分かんないです。
『完璧に見えて、完璧じゃないっていうか…
なんて言うか…ね?』
ね?って言われても…
さっきから私は首を傾げてばっかりだ。
第一に私は完璧じゃない。
おかしいなぁ…稲葉さん。
いつもと雰囲気が違う気がする…