7日間の恋
ドキドキしながらエレベーターに乗る。
あ、どうせなら私服に着替えて来れば良かった。
なんて考えていると稲葉さんがいる3階に着く。
【コンコン】
ドアをノックすると中から
『どうぞー』
と、言う声がした。
「失礼します」
『なんだ、結衣ちゃんだったんだ』
ドアを開けると稲葉さんと莉巳ちゃんがいた。
「あれ?莉巳ちゃん?」
なんでこんな時間に稲葉さんの病室に莉巳ちゃんがいるの…??
「翼兄に次いつ逢えるか分かんないから逢っておこうと思って…」
莉巳ちゃんはそう言ってフワッと笑う。
そういうことか、なるほどね。
「あ、でももう私…帰るんで。
じゃ、また」
ニヤッと笑った莉巳ちゃんは立ち上がる。
『莉巳ちゃん
絶対、負けんなよ!
なんか逢ったらいつでも電話して来て』
稲葉さんの言葉に莉巳ちゃんは頷いた。
そして病室を出て行く。
いつの間に、あそこまで強くなったんだろう。
中学生の成長速度は思ったより速いものだった。
頑張れ、莉巳ちゃん