7日間の恋
『そっか…アイツ、言ったんだ』
顔を上げると稲葉さんはなぜか笑っていて。
『それで結衣ちゃん、なんて答えたの??』
私は首を横に振る。
「何も、言えなかった。
嬉しかったことは…嬉しかったんです。
でも、なんて言っていいか分からなくて。
よっしーのことは好きだった。
けどそれは、男の人として…じゃないんです。
先生として、好きだったんです。
だから…何も答えられなかった。」
あのときのことを思い出すと今でも顔が火照る。
もしかしたら私…よっしーのこと、好きだったのかもしれない。
そんなことをふと、思った。
『吉田…フラれたのか
じゃあアイツもまだ好きかもね…』
アイツ『も』と、いうところに引っかかったが私は答える。
「そう言えばよっしー結婚したらしいです」
専門学校に通っていた頃に、そんな話を聞いた気がする。
『なんだ…アイツ、結婚したのか。
案外、きっぱりした性格なんだな』
さっきから稲葉さんの言ってることがところどころ分からない。
稲葉さんはいったい何が言いたいんだろう…