7日間の恋





『はい、いらっしゃーい』


普通の車イスに乗れない私は
足を上げれるごっつい車イスに乗ってリハビリ室へとやって来た。

ガチガチのギブスを見る度に
ふき出しそうになる。



そして目の前には悪戯っ子のような怪しい笑みを浮かべた稲葉さん


「あ、どうもです」

軽く頭を下げあいさつ。



『じゃあ車イス降りて松葉杖であのベットまで来てくれる?』

松葉杖を手渡され仕方なしに立ち上がった。


1歩歩く度に足が重くてイヤになる。

まったく、困ったものだ。


稲葉さんの背中を見つめながら溜め息をついた。



「あれ?結衣ちゃん?

痛いけどリハビリ頑張ってね」


浅田さんはニヤニヤ笑いながら松葉杖の練習をしていた。



『浅田さん、そんなビビらせないでくださいよ』

稲葉さんは困ったように笑いながら言う。


その隣で私は苦笑い。


あれだけ痛い、痛い、と言われると度胸というものがつく

おかげであまり怖くはない。


ただ、緊張しているのは確かで。



さっきからドキドキと鳴る心臓がうるさい。









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