7日間の恋
『じゃあ僕はこれくらいで…
また明日ね、結衣ちゃん
じゃあまた同窓会でな、吉田』
稲葉さんは片手を上げて病室を出て行った
なんて言うことだ…
喋るチャンスだったのに
よっしーのせいで稲葉さんと全然喋れなかった。
「よっしー…タイミング悪い」
ボソッと呟く
『な、結衣
どっか行こうか』
よっしーの突然の提案
私は小さく頷くと立ち上がる準備
「ちょっと出かけて来ます!」
浅田さんに一言言って病室を出る
『上にお茶できるところあるんだろ?』
「8階にあるよ」
『じゃあそこ行くか』
ナースステーションの前を通ってエレベーターに乗る
病室から出るなんて
リハビリかお風呂のときだけで。
なんだか新鮮
もう1週間くらい入院しているのに
動きたくないからと言って院内探検もしていない。
『結衣?着いたぞ??』
「あ、うん」
いつの間にか8階に着いていて。
エレベーターって早いな、
なんて考えている私はバカみたいだ。