7日間の恋
『稲葉…いいヤツだろ?』
8階の展望レストランで席に着くと
おもむろによっしーは口を開いた。
「あ、うん。
いい人だよ、稲葉さん」
『で、好きになったんだ』
「えっ?」
よっしーの唐突なその言葉につい反応しちゃう私。
目の前のよっしーは嬉しそうにニヤニヤ笑ってて。
ヤバっ…
そう思ったときにはもう遅くて。
『もう結衣との付き合いは長いからな。
お前のことはイヤでも分かる』
よっしーふざけないでよ。
イヤでも分かるとか意味分かんない。
よっしーに見透かれるほど私は愚かじゃない。
「好きなんかじゃないし!」
そう反論したって
『はい、はい。
まったくこれだから思春期の女の子は…』
なんてバカにしたように笑ってて。
「いいじゃん、別に
誰を好きになろうと私の勝手でしょ?
よっしーには関係ないじゃん!」
そう言うとよっしーの顔が急に真剣になった。
『もし、関係なくない。
そう言ったら…どうする?』