7日間の恋
「いつも夢の中の私は学校の廊下にいるんです。
隣にいる人は毎回違う。
でも…足はギブスしてなくて。
松葉杖もついてない。
夢の中の私の足は怪我なんてしてないんです。
で、夢から覚める直前、私は廊下を走り出すんです。
笑顔で。
夢から覚めると…虚しくなる。
だって現実の私の足はギブスでガチガチに固定されてて。
歩くことさえもできない状況」
拳を握り、溢れそうになる涙を堪える。
「………おかしい…ですよね。
そんな夢…見ちゃうなんて。
怪我したことは自業自得で。
そんなこと…分かってるのに走ってる夢を見る。
しかも…笑ってるんですよ」
あの夢は現実だった。
実際、私は学校の廊下を走るのが大好きで。
何かしら理由を付けてダッシュしていた。
それがまさか夢に出てくるだなんて思ってもみなくて。
ギブスで固定された左足が憎くて仕方ない。
『そんなに…思い詰めなくていいんだよ?』