7日間の恋
その言葉に俯いていた顔を上げた。
『そんなに思い詰めなくていい。
全部…吐きだしてごらん?
ここに溜めてるキモチも涙も』
稲葉さんは自分の胸に手をやった。
「そんなこと…言わないでくださいよ…
止められなく…なっちゃいますよ…?」
そう言う私に稲葉さんは言うんだ。
『いつまででも聞いてあげる。
今日は結衣ちゃんが最後の患者さんだからね』
って。
飛び切り優しい笑顔で。
「本当は」
そこから始まる私の愚痴、溜まったキモチ
本当に言っても言い足りないくらいある不安も不満も何もかも吐きだした。
稲葉さんは…迷惑じゃなかったんだろうか。
途中で溢れ出した涙は止めることができず、
それでも喋り続ける私。
よく…最後まで聞いてくれたと思う。
でもそれが稲葉さんなんだ。
だから私は…稲葉さんを好きになったんだ。