7日間の恋
「怪我をしたとき、こんなに大事になるとは思ってなかったんです。
脱臼くらいかな…ってそう思ってた。
なのに実際は骨折で。
しかも手術をしなくちゃいけないって。
最低でも運動できるようになるには3ヶ月かかるって。
耐えられなくて学校に帰る車の中でよっしーの前で大泣き…したんです。
よっしー優しいから、怒らないんですよ。
泣いてる場合じゃねぇーだろ、って。
結衣は1人じゃない、そう言うんです。
それ聞いて余計泣けちゃって。
私、その車の中で決めたんです。
怪我を早く治して部活に復活しよう、って。
でも」
ここで1度言葉を切った。
稲葉さんは静かに相づちを打ってくれている。
「でも、みんなが走り回ってる姿…見てると辛くて。
目を逸らそうと思ってもできなくて。
私は…何も悪いことしてないのに
どうして神様は私にこんな辛い思いをさせるんだろう、
そう思わずにはいられなくて。
夜…1人になった部屋で泣いたこともありました」
最後の言葉はドラマくさいけど事実で。
親に泣いてることがバレないように枕に顔を埋めて泣いた。
こんなこと…誰も、知らないんだけどね?