7日間の恋





その言葉に驚きながらも全てを吐き出す。



「ホントはリハビリ…手、抜きたかったです。

ここに、来たくなかったです。

逃げ出したかった…です。


リハビリ、辛かった。

私は弱いから…だから、こんなこと…ずっと、思ってた。


私は…稲葉さんが思ってるほど、強くないですよ」


そう言い終わったあと、稲葉さんの表情が初めて変わった。

険しく…なったのだ。



『結衣ちゃん?

結衣ちゃんこそ自分が思ってるほど弱くない。

頑張り屋で我が儘言わなくて。


だから僕は…心配だった』


俯く私のところへ稲葉さんの優しい声が届く。

ぐちゃぐちゃになっていた私の心に直接触れるような優しい声だった。



『いつも顔は笑顔で。
僕の言ったことに忠実で。

たまに反抗する目をするところだけが中学生さをにおわせてて。


ただ自分のことはあんまり言わなくて。

何を聞いても


「大丈夫です」

しか言ってくれなくてさ。


普通の子ならそれでいいんだけど…

結衣ちゃんはなぜかものすごく心配だった。』


チラッと稲葉さんの顔を見ると遠くを見つめていた。






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