7日間の恋
『何言ってんの?
冗談もほどほどにな』
そうは言ったものの、冷や汗もので。
いつも通りを装うのに精一杯で。
『そう言う吉田だって結衣ちゃんのこと、好きなくせに』
この言葉を返すのにも噛まずに言うのがギリギリで。
『はっ…なっ…稲葉ぁ~!!』
ただ、吉田の焦りようのおかげでなんとか緊張は解ける。
『図星なんだ?』
そう不適に笑うと顔を真っ赤にする吉田。
分かってたんだ。
初めて結衣ちゃんと吉田が一緒にいるところ見て、分かってたんだ。
吉田は結衣ちゃんのこと、好きなんだろうな、って。
そして結衣ちゃんもきっと吉田のこと…
『俺のことはどうでもいいんだよ!
で、稲葉はどうなんだよ?
好きなのか?好きじゃないのか?』
僕ははぁ~と、溜め息をつく。
『キライじゃないよ、結衣ちゃんのこと』