7日間の恋
『吉田くん、これ…どうぞ』
隣の席の吉田
コイツはスポーツ馬鹿のどうしようもないヤツで。
勉強ができないくせにどうしようもなくモテた。
『稲葉くん、これ…受け取って』
そう言われ女の子に箱を渡される。
キレイにラッピングまでされている。
『稲葉、モテるよな』
吉田にそう言われ、最初は嫌味かと思った。
だって吉田の方がモテるから。
でもコイツは単純バカ
だから自分がモテてることに気が付いてない。
『2人とも、そのチョコ全部食うのか?』
クラスの男子が僕と吉田の机にのった箱を見て言う。
『『当たり前』』
僕と吉田の声が重なる。
今日は、年に1度のバレンタイン
多分、この机の上の箱の中身はチョコとかクッキー
甘党の僕としては嬉しい限りで。
吉田も甘党だと去年、知った。