俺の先輩自称殿−本当のお名前なんですか?‐
4.
部室についたら、部員の一人がほっとした笑みを見せて俺の肩に手を置いた。
「来てくれて良かったー。部長、もう着替えて撮影室で待ってるよ」
えっと。
昨日撮ったばっかりなのに、今日も撮るんですか?
しかも、俺が!
普段ならここで一度断ってじゃんけんに持ち込んで、結局負ける……という不毛な作業をするのだが、今日ばかりは勝手が違う。
「わ……分かりました。
あんまり待たせると、発狂しますよね。俺が行って来ます」
部員から自然と沸き起こる拍手に、なんだかボランティアでもしたような心地よさを感じながら、必要な道具を持って二階へと上がる。
ついでに部室に投げてあった清潔そうなタオルを一枚拝借した。
もう、俺のハンカチは、使い物にならなくなっている。
ちなみに天気予報を信じるなら今日の最高気温は18度。
それでも、階段を上がるだけで額から汗が吹き出てくる。
これだけ新陳代謝がよければ、明日あたり、もう、驚くほどスリムになっていてもおかしくはない、気さえする。
今日は殿、どんな服を着ているだろうか……。
撮影室が近づくにつれて、そっちのほうが気になった。
昨日みたいな衣装だったらさすがに連れ出すのは難しそうだ。
心配になる。
「やぁ、バナナ。遅かったじゃないか」
撮影室のドアを開けた俺に、目が眩まんばかりの眩しい笑顔が注がれた。
「来てくれて良かったー。部長、もう着替えて撮影室で待ってるよ」
えっと。
昨日撮ったばっかりなのに、今日も撮るんですか?
しかも、俺が!
普段ならここで一度断ってじゃんけんに持ち込んで、結局負ける……という不毛な作業をするのだが、今日ばかりは勝手が違う。
「わ……分かりました。
あんまり待たせると、発狂しますよね。俺が行って来ます」
部員から自然と沸き起こる拍手に、なんだかボランティアでもしたような心地よさを感じながら、必要な道具を持って二階へと上がる。
ついでに部室に投げてあった清潔そうなタオルを一枚拝借した。
もう、俺のハンカチは、使い物にならなくなっている。
ちなみに天気予報を信じるなら今日の最高気温は18度。
それでも、階段を上がるだけで額から汗が吹き出てくる。
これだけ新陳代謝がよければ、明日あたり、もう、驚くほどスリムになっていてもおかしくはない、気さえする。
今日は殿、どんな服を着ているだろうか……。
撮影室が近づくにつれて、そっちのほうが気になった。
昨日みたいな衣装だったらさすがに連れ出すのは難しそうだ。
心配になる。
「やぁ、バナナ。遅かったじゃないか」
撮影室のドアを開けた俺に、目が眩まんばかりの眩しい笑顔が注がれた。