僕の顧問自称殿-そろそろお名前教えてください!-
「ねえ、達筆くん?」
鈴を転がしたような声に、振り返れば美女。
巫女さんが、上目遣いで僕を見上げているではありませんか。
僕は、言葉に詰まってしまい、返事さえできなかった。
その間も、巫女さんは、熱のこもった視線を僕に向ける。
巫女さん、もしかして僕のこと……? と、身分不相応な考えが頭の中で夢の国のコーヒーカップに生えているのハンドルを一心不乱に回し続けているくらい回転する。
「明日、うちに来てくれないかしら……?」
え? 今なんて?
お、お呼ばれされた? 僕が?
道を歩けば上から美術室でしか見たこともないような石膏の胸像に降られたり、街を歩けば30年ぶりと報道されたヤクザの銃撃戦に巻き込まれ、授業でプールに入れば必ず足がつるこの僕が……?
いいんですか? 学校では終始目立たないように教室の隅で青春を費やしてきたこの僕ですよ?
「駄目……?」
お、おねだりされてるうぅぅぅぅ!!
今にも零れ落ちそうな涙に瞳を潤ませながら、覗きこむように僕を見つめる。
そ、そんなの――
「だっ、駄目なわけ――」
ないじゃないっすかあぁぁぁぁ!!
逆に、ご指導よろしくお願いしますって叫びたいぐらいだあぁぁ!
「よかったあ」
巫女さんの顔が一瞬で笑顔に染まる。な、なんと表現したらいいんだ、この微笑み。
後光が見えるのは、気のせいか? いいや、気のせいなんかじゃない。だってこの美しいお方は、女神なのだから!!
ぽきり、ぽきり。
一瞬耳を疑った。かの、モナ・リザをもしのぐ微笑の下で、カツアゲにあった際に何十回と耳にした音が聞こえたのだ。
恐る恐る視線をさげる。
やっぱり、指、鳴らしてらっしゃいましたアァァァァ!?
……なぜ?
「楽しみだわあ。
あ、放課後に来てね。色々と準備があるから」
笑顔。大部屋用のパルック以上にもう直視できないほどの眩しい笑顔。
ええと、な、何を準備するおつもりで?
鈴を転がしたような声に、振り返れば美女。
巫女さんが、上目遣いで僕を見上げているではありませんか。
僕は、言葉に詰まってしまい、返事さえできなかった。
その間も、巫女さんは、熱のこもった視線を僕に向ける。
巫女さん、もしかして僕のこと……? と、身分不相応な考えが頭の中で夢の国のコーヒーカップに生えているのハンドルを一心不乱に回し続けているくらい回転する。
「明日、うちに来てくれないかしら……?」
え? 今なんて?
お、お呼ばれされた? 僕が?
道を歩けば上から美術室でしか見たこともないような石膏の胸像に降られたり、街を歩けば30年ぶりと報道されたヤクザの銃撃戦に巻き込まれ、授業でプールに入れば必ず足がつるこの僕が……?
いいんですか? 学校では終始目立たないように教室の隅で青春を費やしてきたこの僕ですよ?
「駄目……?」
お、おねだりされてるうぅぅぅぅ!!
今にも零れ落ちそうな涙に瞳を潤ませながら、覗きこむように僕を見つめる。
そ、そんなの――
「だっ、駄目なわけ――」
ないじゃないっすかあぁぁぁぁ!!
逆に、ご指導よろしくお願いしますって叫びたいぐらいだあぁぁ!
「よかったあ」
巫女さんの顔が一瞬で笑顔に染まる。な、なんと表現したらいいんだ、この微笑み。
後光が見えるのは、気のせいか? いいや、気のせいなんかじゃない。だってこの美しいお方は、女神なのだから!!
ぽきり、ぽきり。
一瞬耳を疑った。かの、モナ・リザをもしのぐ微笑の下で、カツアゲにあった際に何十回と耳にした音が聞こえたのだ。
恐る恐る視線をさげる。
やっぱり、指、鳴らしてらっしゃいましたアァァァァ!?
……なぜ?
「楽しみだわあ。
あ、放課後に来てね。色々と準備があるから」
笑顔。大部屋用のパルック以上にもう直視できないほどの眩しい笑顔。
ええと、な、何を準備するおつもりで?