僕の顧問自称殿-そろそろお名前教えてください!-
殿の奇行に呆気にとられて気づかなかったが、ここって神社ですよね?
鳥居をくぐり、長い階段を上りながらしばし考える。
確かに、昨日の美しい彼女は「巫女」と呼ばれていたが、まさか本当に……。
しかし、いいのか? 僕の前方で階段を黙々と上る殿、ここが神社だとしたら、神の領域とも言える場所に、神をおちょくってるとしか思えない衣装で侵入して。
さっきから、殿が腕を後ろに振り上げるたび、生き残ったオシャレアイテム・ミョウガが僕の顔にバシバシ当たる。オシャレは人に迷惑を掛けないようにしていただきたいものだ。
ようやく階段を上りきると、そこには巫女さんが立っていた。
巫女さんは、本当に巫女さんだったようだ。だって巫女さんの格好をしている。
ややこしいが、つまり、昨日の美女「巫女さん」が巫女装束を纏って立っていたのだ。
なんて神々しいんだ。本来持ち合わせている奥ゆかしい雰囲気に、白い小袖と緋袴がなんともミステリアスさをプラスしている。その美しさは鬼に金棒、といった感じだ。
「巫女ちゃん、ここまでお出迎えに来てくれるなんて。そんなに俺が待ち遠しかったのかい?」
さすが、本物の巫女さんだ。このはっちゃけすぎた殿の着衣を見ても眉ひとつ動かさないとは。
「こんにちは、達筆くん」
巫女さんは、眩しすぎる微笑を僕に向けた。
か、可愛すぎるっ!!
飛び出た! 10センチは飛び出たんじゃないかな、僕の心臓は!!
「こここ、こんにちはっ!!」
目の前にこの笑顔だ。僕がピゲさんのような喋り方になってしまったのも無理はないだろう。
「巫女ちゃん、待たせて悪かったね。いじらしいな、巫女ちゃんは。そんなに俺のことが好きか」
「あら、殿じゃない。殿、いつからいたの?」
「うんうん、わかるぞ。その俺を好きすぎて仕方がない気持ち」
「下までで良かったのに間違ってここまで来ちゃったのね」
「でも、巫女ちゃん、これだけはわかってくれ。俺を一番愛しているのは、この俺なんだ!! そして、この俺が一番愛しているのもこの俺ってことを!!」
「そうね」
「そうさ」
……このパターン、もういい加減にして貰えませんか?
鳥居をくぐり、長い階段を上りながらしばし考える。
確かに、昨日の美しい彼女は「巫女」と呼ばれていたが、まさか本当に……。
しかし、いいのか? 僕の前方で階段を黙々と上る殿、ここが神社だとしたら、神の領域とも言える場所に、神をおちょくってるとしか思えない衣装で侵入して。
さっきから、殿が腕を後ろに振り上げるたび、生き残ったオシャレアイテム・ミョウガが僕の顔にバシバシ当たる。オシャレは人に迷惑を掛けないようにしていただきたいものだ。
ようやく階段を上りきると、そこには巫女さんが立っていた。
巫女さんは、本当に巫女さんだったようだ。だって巫女さんの格好をしている。
ややこしいが、つまり、昨日の美女「巫女さん」が巫女装束を纏って立っていたのだ。
なんて神々しいんだ。本来持ち合わせている奥ゆかしい雰囲気に、白い小袖と緋袴がなんともミステリアスさをプラスしている。その美しさは鬼に金棒、といった感じだ。
「巫女ちゃん、ここまでお出迎えに来てくれるなんて。そんなに俺が待ち遠しかったのかい?」
さすが、本物の巫女さんだ。このはっちゃけすぎた殿の着衣を見ても眉ひとつ動かさないとは。
「こんにちは、達筆くん」
巫女さんは、眩しすぎる微笑を僕に向けた。
か、可愛すぎるっ!!
飛び出た! 10センチは飛び出たんじゃないかな、僕の心臓は!!
「こここ、こんにちはっ!!」
目の前にこの笑顔だ。僕がピゲさんのような喋り方になってしまったのも無理はないだろう。
「巫女ちゃん、待たせて悪かったね。いじらしいな、巫女ちゃんは。そんなに俺のことが好きか」
「あら、殿じゃない。殿、いつからいたの?」
「うんうん、わかるぞ。その俺を好きすぎて仕方がない気持ち」
「下までで良かったのに間違ってここまで来ちゃったのね」
「でも、巫女ちゃん、これだけはわかってくれ。俺を一番愛しているのは、この俺なんだ!! そして、この俺が一番愛しているのもこの俺ってことを!!」
「そうね」
「そうさ」
……このパターン、もういい加減にして貰えませんか?