僕の顧問自称殿-そろそろお名前教えてください!-
 何か、嫌ぁな言葉が耳を掠めたような――

「ナントホクトサンタイギョクニョ、サセイリュウヒマンペイ、ウビャッコヒフショウ、ゼンスザクヒコウゼツ……」

 ええええ!?
 じゅ、呪文ですかあぁぁ!?

 巫女さんの唸るような声が僕の体にガツンガツンと響く。

 頭がクラクラするぞ。
 汗が滝のように流れて、ああ、なんだ?
 アレが食べたい……!! 黄色いアレがどうしても食べたい!!

「ケン、ゴン、ゲン、テイ、リ、ジョウッ!!」

 巫女さんが耳元でそう叫んだ刹那、頭痛と眩暈と吐き気と不整脈がいっぺんに襲ってきた。

 意識が霞みゆく狭間で僕は、殿の声を聞いた。

「あれ? バナナ?」

 
 
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