こんな物語
「相手は?」
フォークに刺していた料理を口に運び、飲み込んだ後、リーシャは女王に視線だけを向けて尋ねる。兄である王子達も気になるのか彼等の視線は驚愕から好奇の色へと変わって女王に向けられる。
「それはね………」
女王は一旦言葉を区切り、子供達の反応を確認してから再び口を開く。その表情はとても愉しそうだ。
「ラナルフ王子よ。あの、グレイリー国のラナルフ王子がリーシャと是非婚約したいって仰ってるの。とても名誉なことだと思わない?」
両手でしなを作り、はしゃぐ女王を取り残し、その場は正に呆然といったものだった。
グレイリーといえば、リーシャ達の統治するスウェイルとは比べ物にならない程の大国。そして、その第二王子であるラナルフは、求婚者が後を絶たないというのにどの縁談も断っていると噂が出回るほどの有名人。第一王子の噂がさして出回らないのは彼が早々に別の大国の姫と婚約をしたからであるが、それを差し引いてもラナルフ王子の著名っぷりは知らない者は居ないのではないかと思える程凄い。
フォークに刺していた料理を口に運び、飲み込んだ後、リーシャは女王に視線だけを向けて尋ねる。兄である王子達も気になるのか彼等の視線は驚愕から好奇の色へと変わって女王に向けられる。
「それはね………」
女王は一旦言葉を区切り、子供達の反応を確認してから再び口を開く。その表情はとても愉しそうだ。
「ラナルフ王子よ。あの、グレイリー国のラナルフ王子がリーシャと是非婚約したいって仰ってるの。とても名誉なことだと思わない?」
両手でしなを作り、はしゃぐ女王を取り残し、その場は正に呆然といったものだった。
グレイリーといえば、リーシャ達の統治するスウェイルとは比べ物にならない程の大国。そして、その第二王子であるラナルフは、求婚者が後を絶たないというのにどの縁談も断っていると噂が出回るほどの有名人。第一王子の噂がさして出回らないのは彼が早々に別の大国の姫と婚約をしたからであるが、それを差し引いてもラナルフ王子の著名っぷりは知らない者は居ないのではないかと思える程凄い。