戻れない場所
『扉』
『この扉を通ると、二度とここから出て来れない』

これは僕が親戚のおじさんから聞いた話だ。

それを聞いた時、僕は凄く怖かった。

次の日、学校で友達にその話をしたんだ。

その話を信用しない友達が「学校が終わったら行ってくる」と鼻水を垂らしながら言った。

話の通り、その扉を通った友達は戻って来なかったらしい。

なぜなら、次の日に友達は学校に来なかったからだ。

「きっとあの扉を通ったから…、僕があんな話さえしなかったら…。」

僕はそう呟き、あの扉があるという場所に向かった。

すると、途中に親戚のおじさんにばったりと会った。

「どうしたんだい?血相変えてどこに行くんだよ?」

「おじさんの言ってた扉を通った友達が学校に来てないんだよ!きっと二度と…戻れないのかも。」

「扉…?あぁ、あの話か。」

「おじさん、、一緒にきてくれない?」

「ごめんな、おじさん仕事の途中だから。」

「どうして!?僕の友達がいなくなったんだよ??」

「大丈夫、すぐ会えるから。」

「なんでわかるの?」

「だって、朝からおじさんが風邪の診察をしたんだから。」

そう言いながら白衣のポケットから煙草を出し、火を着ける。

「え?」

「それにその…二度と出て来れない扉というのは…『入口専用』の扉の事なんだ。」

おじさんは、指先で鼻の頭を撫でながら恥ずかしそうに言った。

< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

落ちる光、昇る光
ガルボ/著

総文字数/602

ミステリー・サスペンス1ページ

表紙を見る
いつもふたりで
ガルボ/著

総文字数/210

恋愛(その他)5ページ

表紙を見る
殺人鬼
ガルボ/著

総文字数/664

ミステリー・サスペンス1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop