*youth*
それって僕が幸ちゃんの事を好きでいていいってこと…?
熱いものが込み上げてきた。
「悠ちゃん。わがまま言っていい?」
「へ…?」
僕は悠ちゃんに抱きつき、赤ん坊のようにわんわんと泣いた。
ずっとずっと我慢してたものが気持ちを認められ、
一気に外へ出て行く。
悠ちゃんは優しく僕の背中をさすってこぅ言った。
「空は繋がってるんだから。」
あの頃と同じ。
悠ちゃんが僕より先に中学を卒業した時と。
そして、今、悠ちゃんと一緒にいる。
だから、また会えるって思える。
「悠ちゃん…幸ちゃんのこと…僕の分まで守ってね…。」
「おぅ!まかしとけ!」
悠ちゃんは元気よく答える。
そして、僕を離した。
「もぅ泣くな?スッキリしただろっ?」
僕は涙を拭き、悠ちゃんに笑いかけた。
「お前は一人じゃないんだからなぁー!」
僕は振り返り、「分かってるもんねー!」とアッカンベーをした。
分かってる。
分かってるから、僕は辛くない。
もぅ僕は縛られた鎖を外す事が出来る。
だから…
「ぜったいぜったい4人で海に行こうねぇ――!!!!」
僕は悠ちゃんに手を振った。
悠ちゃんも笑って手を振り返してくれた。
じゃっ、僕は行かないと。
前を向いて歩き始める。
すべてがリセットされている場所へと。