*youth*
「さちっ!」
後ろから悠ちゃんに呼ばれ、
手が滑り、しりもちをついて落ちた。
「今、立ってたよな!?」
悠ちゃんは目を輝かせながら、こっちへ走ってくる。
「いゃ…腕の力だけで…足は…」
悠ちゃんは私をギュッと抱きしめる。
「さっちーが立ったぁー!!」
私の話を聞いてない…。
「さっちー、大好きぃ~!」
こんなに喜んでいる悠ちゃんを久しぶりに見た気がする。
そして、悠ちゃんは抱きしめるのをやめ、
私の服に付いている草を掃った。
「なんで、こんなに草付いてるの?」
「ここまでコロコロ転がってきたから。。」
すると、悠ちゃんはニヤニヤ笑う。
う…からかってるみたい…。
「言っておくけど、手の力だけで立とうとしたから、
足は使ってないの。だから、立ってません!」
私はきっぱり言った。
「なんだよぉ~!最近、やっと幸が素直になってきたと思ったら、
またひねくれ幸に戻ったのかよぉ~ww」