*youth*









「だっ誰?」





思い出せそうなのに思い出せない。。。






女子は呆れてため息をついた。









「同じクラスの桜ですよっ。」










あのライブでドラムやってた桜さん…。







ビデオで見た時よりも、なぜか顔色が悪く見える。



「ごめん。拾わなくていいよ。一人にさせて。。。」






桜さんは私を見ずに言った。







「べつに興味ないけど、辛い事でもあったの?」








「うん。ちょっと自分を見失いそうで辛くて…。」








すると、桜さんの手が止まったような気がした。












「でも、桜さんがなんでここに?・・・」





私は話を反らした。





私は教室ではひぃちゃん以外の人とあまり喋らないのに…。







桜さんはムスッとした顔で破片を拾う。










「頼まれたからだよ。南葉くんに。」









そっか。



ひぃちゃんが…。











「でも、あんたに会った瞬間、腹が立ってきた。



 来なきゃよかった。」












破片を棚の上に置き、桜さんは私を睨んだ。










「私、あんたのこと嫌い。」









視線が冷たくて私は固まってしまった。












「なんで…なんで…南葉くんはアンタの事が好きなの?



 意味分かんないよ。だって…アンタは…。」 







桜さんは下を向いて震えていた。




怒っているんだ。






「ごめんなさい…。」








私が謝ると、桜さんは私の頬を平手打ちをした。





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