*youth*
すると、磯山は俺の顔を見てあざけ笑った。
「素人には分かんないよねぇ~?」
カッチーンッッ!
「ああ分かんねぇよ!
お前が隠れ野球バカって言う事以外はな!」
「なんですってぇ~!
そっちこそ昆虫ばっかり取ってるバカのくせに!」
「あっ!こらっ!その言い方は昆虫を馬鹿にした言い方だな!」
「ふーんだ!昆虫なんか気持ち悪いだけよ!
あ~、冬に虫がいなくて良かったぁ~。」
「昆虫を馬鹿にする奴は昆虫に泣くんだぞ!今に見とけ!」
そう言って、二人してそっぽを向いた。
少し経ってから、磯山が話してきた。
「武田く~ん・・・?」
「なんだよ。」
俺は少し怒った言い方をした。
「一ノ瀬くん、最近、大丈夫?」
「えっ?またあいつ部活中、元気ないの?」
「いや…、そんな事はないんだけどさ。
彼女の事もあるから大丈夫かな?って…。」
「まぁ、あの二人はたまには離れて、
別々に過ごすのも本人たちにとって良いんじゃないか?」
「そっか…。
なんか野球部のメンバーが我が子に思えて心配なのよ…。」
磯山は切なそうに言った。
野球部や他の人は知らない苦労と仲間への心配。。。