*youth*
そして、閉園時刻。
私は皆にお別れを言って、施設から出ようとした時、
後ろから誰かに止められた。
振り返ってみると、女の子がニコニコ笑っていた。
「お姉ちゃん!チサと友達になって!」
その子は満面の笑みで笑っていた。
小さい子って、こんなに純粋に笑えるんだってくらいに。
「いいよ♪お名前は?」
「チサト!お姉ちゃんは、幸お姉ちゃんでしょ?
ねぇ、幸お姉ちゃんって王子様に会ったことある??」
突然、そんなことを聞かれて驚いた。
でも、すぐに答えた。
「あるよ♪」
「ホント!?チサも王子様に会ってみたいなぁ~!」
チサトちゃんはぴょんぴょん飛び跳ねる。
私も白雪姫と同じように王子様に出会ったから、
生き延びられたんだって、
チサトちゃんを見て気が付いた。
これが私とチサトちゃんとのほんの短い物語の始まり。。。