*youth*
~Hiroki~
「うおぉ~!雪降ってるぅ~!」
幸ちゃんから貰ったマフラーを巻いて正解だった。
まだ11月なのに雪はしんしんと降り、
地面に落ちて消えていく。
病院に入ろうとすると、
駐車場のほうから楽しそうな笑い声が聞こえた。
よく見ると車椅子に乗っている幸ちゃんと小さい女の子が
雪を見て楽しそうに笑っている。
「あっ!広さぁ~ん!」
幸ちゃんは俺に気づいて手を振る。
「おぅ!楽しそうだなぁ~♪」
俺が二人に近づいていくと、小さい女の子はポケッとした顔で俺を見た。
「幸ちゃんのお友達?」
俺はしゃがんで女の子に話しかけた。
女の子は俺を見つめて言った。
「おうじさま…。」
「へ…?」