*youth*
~Yusuke~
「はい。確かに一回戦の試合に蒼里学院が観客席にいたッス。」
田口は堂々と言った。
「そうかぁ。。。じゃあ、やつらは偵察に来たのに違いない。
一ノ瀬も見たのか?」
昼休みなのに田口が監督の所に行こうと言い出し、職員室にいる。
正直、休み時間までこんなところに居たくない。
「いや、見てないッス。」
「見ただろっ?」
田口はすぐに俺につっかかった。
「見てねぇよ。」
「いや、お前、試合終わってから言っただろ?
お前が見た観客席で俺らの学校の隣にいた団体と
南葉らしき奴が蒼里学院だよ。」
「・・・・・へ?」
えっ、ちょっと待って…。
今の田口の言葉で…
「ヒカル、蒼里学院なのっ!!!!?」
「気付くの遅っっ!!!」
俺が叫ぶとそれに合わせて田口はツッコミ。
「お前ら…ここ職員室…。」
監督は呆れるように俺らを見ている。
周りをチラッと見ると教師からの視線が痛かった。
「じゃっ、知らせてくれてありがとな。
あとは俺のほうで作戦を練っておく。」
そう言って、監督は机に向かって何かを書き始めたので
俺と田口は職員室から退散した。