*youth*
「お願いしますっ!」
ヒカルは威勢よく挨拶する。
そして、スパイクで足元を確かめて、
ギュッとバットを握った。
やっぱりヒカルは打つようだ。
そうこなくっちゃ
つまんねぇもんなww
田口は不安な顔で俺を見る。
ヒカルの打順が回ってきたのは、今が初めて。
だから、俺も田口もどんな打者なのか知らない…。
ヒカルも田口の球を一回も打席で見たことない。
でも、ヒカルはベンチで田口のボールをずっと見ている。
だから、俺のリードの仕方も、
田口のフォームのクセもボールの回転の速さも分かるんじゃないかな?
俺はシンカーのボールに入るサインを出した。
まずは様子見。
「ボールッ!」
ヒカルはじっとボールを見た。
まだ冷静さはあるな。
でも、バットが少し動いた。
もぅ少し、じらそう。
俺はまた同じサインを出した。
田口はうなずきフォームに入る。
ヒカルはギュッとバットを握り、思いっきり振った!
キーンッ!!!
マズイ!入る!?
「ファール!」
ヒカル…ぎりぎりまで持っていきやがった。
ヒカルはバットを回しまた集中する。
これは勝負しなきゃだな…。
俺はボールからストライクに行くフォークのサインを出した。
これだったら、コントロール出来て上手く乗り切れるだろう。
田口はうなずきボールを投げた。
げっ!ボール球じゃねぇか!?
キンッ!
ヒカルはまた引っ張った。
フェアか!?
いや…