*youth*
「たぐち…」
俺は田口の目をじっと見た。
「そんなに俺が信用出来ないか?」
田口は少しひるんだ。
「そんな事言ってねぇよ。」
「じゃあ、俺を信じろ!」
俺は大声を出した。
田口は目を丸くして俺を見る。
「俺に良い案がある♪」
そう言って田口の耳元で言った。
すると、すぐに田口は怒鳴った。
「はぁっ!?こんな時に出来るわけねぇだろ!?」
「大丈夫♪俺を信じろ!」
「信じろって…そういう問題じゃねぇだろっ!」
田口は俺の発言に驚きを隠せない。
「どうした?またケンカかよ!」
内野手たちが俺たちの怒鳴り声でまた集まってきた。
「いや、違うんだけどさ…。」
田口が俺から目線をそらす。
「なぁ、外野手たちに伝えられたら、伝えてくれ。
“広く守れ”って。」
「了解!本当にケンカじゃないんだよな?」
「おう!」
そう言って内野手たちは自分の守備位置に戻る。