*youth*
田口はずっと下を向いている。
と思ったら、突然クククと笑い出した。
「お前、その笑い方、直したほうが…」
「やっぱお前おもしれぇ。。。」
そして、笑いながら、俺をじっと見た。
「俺、お前とバッテリー組んだ理由分かった。」
そう言って、俺の肩をグローブでポンと叩き、
「来年もよろしくな!キャプテン♪」
と、ヘラヘラ笑いやがった。
「へいへい、よろしくされますよ。エースさん♪」
と、俺もヘラヘラ笑って守備位置に帰った。
俺も・・・なんとなく分かるかも。
田口とバッテリーを組んだ理由。
“絆”とか“信頼”とかそんなカッケェ言葉じゃ言い表していいのか微妙だけど…。
俺と田口は普段、一緒にヘラヘラ笑うけど、よく意見が分かれる時が多い。
でも、バッテリーを組むと違うんだ。
田口は俺のサインに一回も首を振らない。
正直、田口は今でも良い投手がいまいち分かんないけど、
俺は田口の球を信じてサインを出せる。
こいつじゃなきゃ、ここまで来れなかったと思う。
監督が言いたかったのは、こういう事なのかな??