*youth*
「…あっちの学校ではどう?」
「うん、楽しいよ♪でも、悠ちゃんみたいな憧れの人もいないし、
広兄みたいな頼れる先輩もいないし、幸ちゃんみたいな…」
ヒカルの言葉は途中で途切れた。
「…幸ちゃん元気?」
「それ2回目。」
「だって幸ちゃんに会いたいから…。」
俺はそんなヒカルにカバンから取り出した紙袋を渡した。
「幸からのクリスマスプレゼント!」
ヒカルは目を丸くして受け取り、紙袋の中を見た。
「マフラー!」
ヒカルはマフラーを紙袋から出し、
ギュッとマフラーを抱きしめた。
「幸ちゃん…ありがとう…」
目をつぶり微笑む。
…やっぱりヒカルは変わってねぇな。
「悠ちゃんもありがとね♪」
「おぅ!」
ヒカルはマフラーを紙袋にしまおうとしたら、
一瞬手が止まった。
「手紙…?」
紙袋の底にあった水色の封筒。
真ん中には“ひぃちゃんへ”と幸の字で書いてあった。
「なにそれ~?」
「ダメ!悠ちゃんには見せないよ!僕一人で見るの!」
ヒカルは嬉しそうに封筒をマフラーと一緒に紙袋にしまった。
「じゃっ、僕もぅ行きますね!」
「ヒカル!元気でな!」
「悠ちゃんも!」
そう言って俺たちは別れた。
こうして、男と男の真剣勝負は幕を閉じた。。。
それでも、俺たちの夢は変わらない。。。