*youth*





桜さんは意味が分からなそうに首をかしげる。






「は…?退院出来るなら良かったじゃん。




 こんな狭っ苦しい場所から解放され…」




「見捨てられたんだよ?」





私の言葉を聞いて、


桜さんはピタリと動きを止めた。









いつの間にか私はあざけ笑っていた。



無力の自分を見下すかのように…。







「ほら、治る見込みのない怪我人を


いつまでも入院させているわけにもいかないでしょ…?







新しい患者だって次から次へと来るんだから、




少しでも空室があったほうがいいし…。」









なんで私、医者のことかばってるんだろう…。



でも…しょうがない事なんだ…。









「しょうがないから…。


 私…医師にも見捨てられた傷害を持っているんだから…。」








パンッ!!!!











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