*youth*
「おぅ!さっちゃん、こんな所に居たのかぁ~!」
何も知らない広兄が幸ちゃんに手を振って歩いてきた。
「って、輝!?いつの間に帰ってきたんだ!?」
「お久しぶりです…」
僕の返答に広兄はすぐに異変に気づいた。
「輝…顔赤いぞ?」
「えっっ!!!!!!???」
僕の反応で広兄がニヤリと笑った。
「お前、もしかして幸ちゃんに告られたぁ~?」
「えっ!!?そっ…それはっ////」
広兄は顔をしかめた。
「…図星?」
広兄は幸ちゃんに目を移した。
「ひっ広兄っ!!!!今日、広兄の家に泊まっていいですかっ!?」
僕は無理矢理、話を反らす。
「えっ…ああ。いいけど。お前は大丈夫なの?」
「はいっ、明日は部活休みなんで。」
「じゃあ、夕飯の食材買ってくる!」
そう言って、広兄はその場から離れた。
・・・・・ふぅ。
僕は幸ちゃんを見た。
幸ちゃんは下を向いたまま。
幸ちゃん…本当は…
僕は幸ちゃんのこと幸せに出来ないよ…
幸ちゃんの膝にある手には雫がポタポタと落ちる。
自分が“僕の元においで”って言ったのに
本当に頷かれたら・・・
驚いたけど、心から嬉しくはなかった。。。
だって…それは…
僕の中では幸ちゃんは″悠チャンの彼女″って
もぅ位置付けられていたから・・・