*youth*
「あんまり二人の事に口突っ込むなよ?
ややこしい事になるから。」
広兄は慣れた手つきで野菜を切りながら、
考えふけてる僕に言った。
広兄の家はアパートでそこで広兄は一人暮らしをしていた。
周りがこんなに片付いている理由は少しの間、
ここを離れるからなんだって…。
就職って大変だなぁ~。
僕はそんな広兄をリビングから見ていた。
「あっ、そういえば、幸ちゃんから手紙もらった?」
「はいっ!もらいました!」
僕はカバンから手紙を取り出そうとした。
あれ…?
ない…
「無くした…」
「えええ!!!?何やってんだよ!?」
あ~も~、僕なにやってんだろう…
だから、僕、あのまま黙って幸ちゃん置いてっちゃったんだよな。。。
僕は目の前の壁に掛かっている
赤色のマフラーを見つめた。
人一人守るのにも責任重大。
“人を守る”と口では何回でも言えるけど、
ずっと人を守りぬくと言うことは不可能に近いんだ。
僕…大切な人をちゃんと守れるかな?
「輝は誠実で立派な男になれるって♪」
広兄はジュージューと何かを焼きながら言った。
「広兄って、読心術使えるの?」
「ううん。輝と悠介とはテレパシーで繋がってんの♪」
と広兄は言い、無邪気に笑った。
「ほら、出来たぞ!!!食うか!」
広兄はテーブルに料理を並べた。
「美味しそう!!!!」
僕と広兄は“いただきます”と言って、
広兄が作った料理を食べ始めた。