*youth*
次の日。僕が帰る日。
「本当に駅まで送らなくていいのか?」
広兄の家の前で、広兄が心配そうに僕を見る。
「広兄、今日はバイト休みなんでしょ?
せっかくの休みにちゃんと体休めないと倒れちゃうよ?」
僕は広兄に笑いかけた。
「ありがと。じゃあ、あっちの学校でも元気でな。」
「うん。広兄も仕事頑張ってね♪」
僕は広兄と別れた。
「桜さん!」
駅の改札口で桜さんを見かけた。
「昨日、あのまま寝ちゃってメール返せなくてゴメンね。」
「平気平気♪でも、本当に南葉君があたしが電話した後
すぐに病院に向かうとは思わなかった。」
桜さんは楽しそうにクスクス笑う。
「桜さん、幸ちゃんと仲良くしてる?」
「全然♪」
あははww
桜さん、変わってないや…(汗)
桜さんはじっと僕を見た。
「南葉君、あっちの学校での好きな人ってどんな子?」
えっ!?
「えっ!!?僕、そのこと言ったっけ!?」
桜さんはニヤリと笑う。
「かまかけたら、本当に居たんだ、好きな人♪」
僕は頷いた。
これって…幸ちゃんを・・・
「いいんじゃない??」
「…へ?」
桜さんは背伸びして僕の額にデコピンをした。