*youth*
悠チャンは私を車椅子から降ろすと、隣で歌を歌った。
あの…『TE QUIERO』という曲を…
「お前は知らねぇと思うけど、この曲、文化祭ライブで歌ったんだ…。」
悠チャンは恥ずかしそうにうつむく。
…知ってるよ、私がそう言おうとすると、悠チャンは突然叫んだ。
「『i』が『a』になってる!!!!?」
へ?…
「ほらっ!『Birthday』が『Barthday』になってる!」
本当だ…。
「俺、頑張って書けるように練習したのにっ!!直してくる!」
そう言って、悠チャンは向こう岸まで走った。
悠チャンの走る姿を久しぶりに見た。
…気持ち良さそうだなぁ。。。
この土手で悠チャンと出会って、お巡りさんに見つかって、
悠チャンに引っ張られて走ったんだっけ。
今となっては、もぅ思い出。
この足じゃ歩く事も出来ない…。
「さちぃ!これで直ってるー?」
「オッケーだよ!」
悠チャンはまた楽しそうに走ってきて、私に抱きついた。
「さち!見て。流れ星!」
空を見上げると、たくさんの流れ星がキラキラと飛び交う。
「りゅーせぇーぐん?」
「えっ…でも、流星群って年明けすぎてからじゃないの?」
「細かい事は気にしなぁ~い!
それにしても、ほんと幸と一緒に居ると流れ星見るよなぁ?」
悠チャンは私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
私も…悠チャンとここに来るたびに流れ星を見てる気がする。