*youth*
悠チャンはケータイを見た瞬間を顔を真っ青にした。
「魔法が解ける…。」
「へ…?」
悠チャンは行動が速かった。
すぐに電灯を私の手から取り、
車椅子の手すりにぐるぐる巻き付けた。
「ヤバイ…!見回りとか聞いてないよっ」
悠チャンはぶつぶつ言いながら両方の手すりに巻き付け、
その真ん中を両手で持つ。
「幸!飛ばすから、しっかり手すりに捕まってて!!!!」
「えっ!?」
悠チャンが走り出したとたん、
目の前から風がぶわっと勢いよく当たった。
私は飛ばされないように手すりにぎゅっと捕まった。
久しぶりだ。
悠チャンが作り出す風を浴びるのは…。
この風を浴びるとモヤモヤが吹っ飛ぶ。
ちょっと寒いけど…ww
ねぇ、悠チャン。
悠チャンと出会ってから一年経つね。
悠チャンと初めて出会ったあの時、
まさかこんな事になってるとは思っていなかっただろうなぁ…。
私は悠チャンの背中に笑いかけた。
「ありがとぉ…悠チャン♪」
風に紛れて伝える私の声。