*youth*
『そうだよね・・・今まで・・歩いてた足が急に歩けなくなるなんて・・・。』
広さんの声は暗かった。
『だけど・・・、もしかしたら他人事に聴こえるかもしれないけど・・・』
広さんは一呼吸おいて言った。
『事故にあって・・・良かったんじゃないかな??』
え・・・??
『いやっ・・・決して″事故″が良いとかじゃなくて
・・・なんて言えばいいかなぁ~・・・』
困ったように考え込む広さんの声が聴こえる。
『・・・・・・っ、俺達は幸ちゃんの事故によって変わったってこと。』
言葉が整理できたのか、堂々と話す広さんの声。
『俺達、高校生として、いろいろ目標があった。
俺は生徒会長としての役目。
悠介と輝は甲子園。
・・・・でもさ、それって自分のための目標でしょ。
間接的には他の人のためになっているかもしれないけど、
″誰かのために頑張りたい・・・″
そう思ったのは幸ちゃんが怪我をしてからなんだ。。。』
広さんは淡々と喋る。
時に楽しそうに、時に真剣に。