*youth*
~Yusuke~
前に居る幸の背中は小さく見えた。
少し力を入れたら折れてしまいそうな腕。
ストレートだけど、毛先が少し跳ねている髪。
会った時からずっと変わらない幸の可愛らしい匂い。
俺はぼーっと幸の後ろ姿を見ていた。
幸…あの病室から出て行ってしまうんだ…。
「でっ…でもね、リッ…リハビリしようと思うのっ!!!」
突然、幸が振り返り、俺の顔をじっと見た。
幸の目は本気だった…。
「この前、主治医と話して、
すぐに近くのリハビリセンターのほうへ手続きしてもらったの。
お金の無駄と最初は止められたけど、
私は本気だから。
母親にも了承済み。
だから…」
「分かった。」
俺は幸に笑いかけた。
「幸がそうしたいなら俺は何も言わない。止める理由なんてねぇよ。」
「えっ・・・!?」
幸は俺の返答に驚く。
「えっ!?なんだよ?止めてほしかったのか??」
「そうじゃなくって・・・。
あっさり"分かった"って言われちゃったから・・・ww」
どうやら幸は、俺と口論になると思ってたらしいww
「ダァーwwもぅ、言っただろ?
幸が決めたんだから、俺は何も言わない。
お前が悩んで悩んで決断した事なんだから
俺が止める権限なんてない。」
幸から安堵の笑みがこぼれた。
「ありがとう…。」