*youth*
「はじめまして。一ノ瀬悠介です。」
なんと言うか…
なんで俺、ここ(合コン)に居るんだろう??
「ねぇ、一ノ瀬くんって何部?」
「野球部のキャプテンです。。。」
キャー!と女子たちが騒ぐ。
あー、こんな事してるんだったら、
早く幸の所へ行きたい。。。
「柚木屋君は?」
「俺は帰宅部です。でも、ピアノを習っているので。」
それもカッコイイ!と女子たち。
この柚木屋って奴。本当に分からない。
さっき俺が“どっかで会った事ない?”って聞いたら、
“いえ、初めて会いました”って言ってきたし…。
本当に人違いなのか?
「んじゃ、ここらで交友を深めるためにカラオケ大会と行きますか!」
合コンの達人、田口はマイク片手に皆と盛り上げる。
と言っても、盛り上がってるのは田口と女子だけ。
俺と柚木屋は観客のように見ていた。
こいつ、合コンに来たんじゃないのか?
ただ嫌々連れて来られただけ?
でも、嫌そうな素振りを一行に見せない。
柚木屋は俺を見てニコッと笑った。
そして、耳元でこう言った。
「俺とここを抜け出しませんか?♪」