*youth*
「はぁ?お前、何を言って・・・」
「ここから抜け出したいんでしょ?俺が手伝います。」
田口が横で熱唱していて、俺達の声は他には聴こえない。
「抜け出すって・・・どうやって??」
そう聞くと、柚木屋はニヤリと何かを企むように笑った。
「簡単なことです。俺に任せてください。」
俺に任せろって・・・
こいつ・・・本当に何を考えてんだ??
田口から女子へマイクが渡った。
そして、田口はタンバリンを持つ。
その瞬間、柚木屋が立ち上がった。
「俺、トイレ行ってきますね。」
でも、それから柚木屋はなかなか帰って来なかった。
俺は少し心配になる。。。
「なぁ、柚木屋遅くねぇか?」
俺は田口に聞くと田口は面倒くさそうに答えた。
「知るか。俺は今、忙しいの。」
忙しいって・・・タンバリン叩いてるだけじゃん。
「探してきたほうがいいんじゃないのか?」
「そう思うならお前が行って来い。
盛り上げ上手の俺はここに居てやるからさ。」
そう言って、ずっとここに居たいだけだろっ。
俺は柚木屋を探しにルームを出た。
トイレには居ない・・・。
あいつどこ行ったんだ??
″ここから抜け出したいんでしょ?俺が手伝います。″
あっ、もしかして・・・
もしやと思ってカラオケ店から出ると、
案の定、柚木屋はカラオケ店の外で看板に寄りかかっていた。
「ねっ?簡単でしょ?・・・皆さん、単純だから♪」
柚木屋は相変わらずニコニコ笑っていた。
嫌々連れてこられた合コンから抜け出したはいいけど・・・
俺、とんでもねぇ奴に会っちまったかも。。。