*youth*
「そこで何やってるんだっ?」
誰かがライトを持ってこっちを照らしている。
「やばっ!おまわりだ!!」
彼は急に私の手をつかんで走った。
彼は走るのがとても速いので私が引っ張られるようだった。
風が涙を拭いてくれる。
彼はいつもこんな気持ちいい風を浴びているのだろうか。
私たちは橋の下まで走った。
「ふぅ〜、けっこう走ったなぁ〜。」
彼はちょっと息切れしている。
私は彼に引っ張られていただけだから疲れなかったけど。。。
さっきの風はとっても気持ちよくスッキリした。
なにもかもリセットしたように感じる。
これなら・・・あの失恋も・・・
「お前...さっきまで泣いてた?」
「なんで分かったの!!??」
ごまかすつもりだったが先に言葉が出てしまった。
彼はニコって笑う。
「ライト当てられた時、目が赤いのが見えた。
俺、動体視力いいからww」
彼は自慢げに言った。