*youth*









「お前ら・・・最悪な事考えてんじゃねぇぞ。」





病院に入る前、広にぃにそう言われた。








分かってるよ・・・分かってるけどさ・・・





俺も広にぃもヒカルも不安だった。





大切なものを一つ失うんじゃないかって。






受付で広にぃが聞いて、




案内されたのは病室。










俺らはホッとした。








幸・・・生きてるんだな・・・







俺は深呼吸をしてドアをノックした。















中には幸の母親らしき人とベットで寝ている幸がいた。




幸のお母さんは、こっちに笑って近づいてきた。





「幸と仲良くしてくれてる子たちね・・・。いつもありがとう。」





目が充血している。




さっきまで泣いてたんだな・・・。








どうやら、俺たちのことは幸から聞いているらしい。



でも、誰が誰なのか分からないみたいなので一人一人自己紹介をした。





「あなたが・・・一ノ瀬くん・・・。」





俺は会釈した。






「幸・・・今、落ち着いたところなの・・・。
 あなたに会いたがってると思うわ。近くに行ってあげて。。。」






俺は幸のお母さんの言うとおり、幸がいるベットの隣に行った。



幸は酸素マスクをして、小さく息をしている。








頬を触ってみると・・・・・冷たい・・・。








「やっとのこと命を取り留めたんだけど、まだ意識はないのよ・・・。」





幸のお母さんは深刻そうに言った。






< 73 / 336 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop