*youth*
「お前ら・・・最悪な事考えてんじゃねぇぞ。」
病院に入る前、広にぃにそう言われた。
分かってるよ・・・分かってるけどさ・・・
俺も広にぃもヒカルも不安だった。
大切なものを一つ失うんじゃないかって。
受付で広にぃが聞いて、
案内されたのは病室。
俺らはホッとした。
幸・・・生きてるんだな・・・
俺は深呼吸をしてドアをノックした。
中には幸の母親らしき人とベットで寝ている幸がいた。
幸のお母さんは、こっちに笑って近づいてきた。
「幸と仲良くしてくれてる子たちね・・・。いつもありがとう。」
目が充血している。
さっきまで泣いてたんだな・・・。
どうやら、俺たちのことは幸から聞いているらしい。
でも、誰が誰なのか分からないみたいなので一人一人自己紹介をした。
「あなたが・・・一ノ瀬くん・・・。」
俺は会釈した。
「幸・・・今、落ち着いたところなの・・・。
あなたに会いたがってると思うわ。近くに行ってあげて。。。」
俺は幸のお母さんの言うとおり、幸がいるベットの隣に行った。
幸は酸素マスクをして、小さく息をしている。
頬を触ってみると・・・・・冷たい・・・。
「やっとのこと命を取り留めたんだけど、まだ意識はないのよ・・・。」
幸のお母さんは深刻そうに言った。