*youth*
それから、
俺は幸がいなくても学校に毎日通い続けた。
出来るだけ幸のことを考えない事にした。
鎖でがんじがらめにして固く鍵を閉める。
そこに大きくて高い壁を作った。
授業中は居眠りをして体力を蓄える。
部活のときは野球のことだけ考える。
通学中や食事中の時は、野球の自主メニューやリードの仕方などを考えてた。
無理矢理、頭ん中を敷き詰めた。
これで壁が出来た。
自分に幸のことを考える暇を与えなかった。
今の俺は野球一筋。
野球は俺の・・・恋人だから・・・
でも、それは夏休みに入る前にあっけなく崩れた。