【短編】Promise~小さな恋物語~
「どうしたの?」
顔を覗き込むと、琉珂は私の目を真っ直ぐ見た。
「前に、願い事があってこの曲を弾いたって話したの覚えている?」
「うん、覚えているよ。」
「俺の願いは、“もう転校しないように”なんだ。転校ばっかりで友達が出来ても仲良くなった頃には、また転校したりで嫌だったんだ。」
「そうだったんだ…だから誰とも仲良くなろうとしなかったんだ。」
「でもあの日、愛海が一緒に願ってくれるって言ってくれて本当に嬉しかった。愛海がいてくれたから俺また笑えるようになったんだ。」