【短編】Promise~小さな恋物語~
琉珂は、椅子に座りピアノを弾き始めた。
それは、私達の思い出の“アヴェ・マリア”だった。
私は、懐かしい気持ちと同時に、あの頃を思い出していた。
初めて琉珂がピアノを弾いていた頃を…
私は琉珂の隣に座り、歌った。
弾き終わると、琉珂は私を真っ直ぐ見つめた。
「愛海、この曲の話し覚えている?」
「うん、願いを叶える為に捧げる歌だよね?」
「そう。俺達の願いを叶える為のな。」
「えっ?」
「結婚式の場所なんだけど、あの教会に決まったんだ。」