【短編】Promise~小さな恋物語~
たどり着いたのは、音楽室。
音楽室のドアは大きく開いていて、私は音がしないように注意しながら、教室を見た。
そこには、夕陽に照らされた葉月君が、ピアノを優雅に弾いていた。
(すごく、綺麗……。)
ポ一ッと葉月を見とれていると、私に気づいて演奏を止めてしまった。
「邪魔して、ごめんなさい。素敵な曲だったから、来ちゃったの…」
「別に…」
葉月君は、帰り仕度を始めると音楽室を出ようとした。
「さっきの曲…」
呼び止める言葉が見つからなくて、咄嗟に曲の事を口にした。