マジ恋愛☆~ブラックキャットにご用心!?~
いち
〇
「ええっ!別れるって、なんで?!」
「なんでって……もう好きじゃなくなっちゃった。ごめんね☆ばぁい♪」
「そんなのねーよぉ。ミケ~(泣)」
―あ~、コイツも違かった―
泣き付く男(元カレ)をほったらかして、さっさとその場を立ち去る。
今捨てたのは、26歳の商社マン。
金回りは確かに良かったけど、事あるごとに『愛してる』って言われるし、会う度に身体を求められて正直ウザいんだもん。
今日も『今日正式に婚約しよう。ホテルでディナーの後…部屋取ってあるからね』な~んて言いやがるから、温厚な私の堪忍袋の尾も切れるわよ。
「あ~…やだやだ」
ブーツのヒールを鳴らしながら、指輪やネックレス、更にピアスも次々と外す。
全部あいつからの貢ぎ物。
そのまま橋の欄干に近付く。
「やっ!……とぉ」
ポチャン
みんな捨ててやったわ。
これで23人目。
いろんな年代の男と付き合ってみたけど………
み~んな私の心は満足させられなかった。
何が足りないのかって?
そんなの知らない。
なんかが足りないのよ。
好きだよ。愛してる。なんて言葉もグッとなんてこないし、エッチしてても気持ち良くないし、何も満たされない。
毎回別れた後に残るのは………虚しい気持ちだけ。